このレビューはネタバレを含みます
課長(以下課):直接製作者から「観てねー!」ってアプローチされるって、Filmarksもいろいろスゲーな!
ヒロシ(以下ヒ):ですよねー!なんか凄い時代になりました!と、言うことで監督の中嶋駿介さんの直接フォロー&オススメを受けての視聴でしたが、いかがだったでしょうか?
課:設定はトンデモ展開だが、登場人物の瑞々しい演技や、ちょっと是枝裕和監督を彷彿とさせるドキュメンタリー的な演出が心地よい作品だな。主演の藤主税のダメダメ振りや、有佐の透明な存在感もキャラクターが立ってて良かったぞ
ヒ:女性とセックスする前に、全ての男性が「性交人」と呼ばれる男性とアナルセックスをしなければいけないという狂った法律「SP法」が存在する日本で、彼女のことが大好きなのにSPを受けることにビビりまくる高校生のお話です
課:「性」に寄ってるから異質に見えるが、「愛する女性のために苦難を乗り越える」というテーマとしてみると、割りと腹落ちするし、「まあ一回くらいなら我慢すればいいじゃん」と思えてくるんだが、少し別のテーマが入ってるような気がしたな
ヒ:と言うと?
課:そうだなー、女性の痛みを知るためにSP法があるんだが、これは「暴力」を「更に強い暴力」で押さえつけてるだけじゃないかっていう疑問だな。例えば子供を殴ったら、その子の親父が出てきて殴られたとして、子供を殴ったことを後悔するかってことだ。
ヒ:んー、逆に恨みが募るような気もしますね(笑)
課:そんな風に、外から押さえつけられるんじゃなくて、もっと内面からお互い慈しみあうみたいなものが、本当は必要じゃないかってことだな
ヒ:確かに主人公は外部からの暴力から逃げてしまって、最終的にいろいろ失ってしまいますもんねー。一人の少年の成長物語としてとらえればいいかもですが、展開としては少々残念でした
課:尺が短い分だけ、少年の恐怖とか焦燥とかが十分に描写できなかったから、なんか軽率に行動したふうに見えたのも残念だったかな。むしろドラマ的には変化に乏しいが、彼女のためにビビりながらもちゃんとSPを達成して、ハッピーエンド!でも良かった気がするな。
ヒ:確かに40分だと挫折→再起の映画的展開をするには短いですからね。
課:そうだなー。若いもんは怒涛の展開がいいのかもだが、オッサンはもう「ほのぼの」した感じでいいんだよ。あー良かったなー!彼女のために頑張ったんだなー!ってな。
ヒ:もうオッサンというよりは「初老」って感じですけどね!(笑笑)
ストーリー 3
キャラクター4
世界観 3
映像・演技 4
音楽 3
鼻水演技がGood!度87