建野友保

聖なる犯罪者の建野友保のレビュー・感想・評価

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)
4.0
村の問題を見て見ぬふりする聖職者が体調を崩した合間を縫って、まんまと代理司祭の座に収まる主人公(実は少年院から仮釈放中の身)。村は悲痛な交通事故による悲しみや憎しみを抱えていた。主人公は自分の言葉の力で村人たちの心を掴み、この問題を解決しようと試みるが…。
少々分かりにくい部分はありましたが、人の苦しみを救えるのは果たして宗教なのか、という問題提起を含んだ佳作。狂気をはらんだ主人公をバルトシュ・ビィエレニアが好演。
主人公の本当の姿がなかなか見えにくい点がもどかしかったのですが、実はそここそが描きたかったところで、よくよく考えてみれば聖職者も同じだったりする。聖職者と犯罪者という対極を見せながら、実は似たり寄ったりの紙一重、同じような業を抱えた人間なのかもしれないね…そんなことを、後から思いました。
建野友保

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