演劇集団ヨーロッパ企画制作の時空トリックを活用したちょっと心温まるSFコメディ映画
企画・脚本は「サマータイムマシン・ブルース」で知られる上田誠が担当
短尺だからこその無駄がない物語展開と緻密に練られたトリックが見事に光る意欲作
好奇心が惨事を招いていくという構図は「サマータイムマシン・ブルース」と同じでありながらも、今作ではドロステ効果に着目したトリックを使用することで一味違った作品に仕上がっていた
荒唐無稽な設定にも関わらず、近所にいそうな登場人物達が右往左往する様にはリアリティがあり、どこかでこんな事が起きているのではないかという錯覚を感じることができるのは上田誠脚本ならでわ
脚本面だけでなく撮影面でも入念な準備が必要であっただろうことはエンドロールで流れる制作時の映像から分かる
ワンカット風に撮影、編集した映像、演者が繰り広げるタイムテレビを活用した掛け合いなど現場は大変だっただろうことは容易に想像でき、鑑賞後にはまず労いの気持ちが湧き起きた
短いながらもしっかりとした満足感を得られる空いた時間のお供に最適の一作です