このレビューはネタバレを含みます
これはこれで正解、オリジナルキャラクターの存在も理屈的に処理されていたので(もちろん居なくても成立させることはできるので後付けには感じる)諸々含めよく出来ていたと思う。3人が主人公の群像劇として問題発生と解決の流れは出来ていたので映画っぽい映画だとも思った。
それを踏まえつつ、3人主人公の作品であり映画という限られた時間なのでなかなか1名にスポットを当てることは難しいが、一人を重点的に掘り下げてやった方が心の動きがもっと浮き彫りになったのではとも思った。
具体的にはやはりこのパートの要である水崎氏について深く触れる方が良かったような気がする。なぜ「アニメを禁止されているのか?」や「どうしてアニメーターとして優れているのか?」などは両親の会話で数秒語られたのみだったので、もう少し映像的に語られても良かった気がする。
山場を生徒会を欺いて徹夜するという仕掛けにしたのはとても素晴らしいアイデアでとても気持ちよかっただけに、その後の両親に認めてもらう話が薄く感じてしまった。割と重要なテーマなのでもう少し時間を割いてもいい気がする。実は親はそこまで気にしてなかったり、実は気付いてたり、膨らませる要素はあったように思う。
どうしても情報量増やすために前半が親切なダイジェストになっているのも大衆映画ならではだけど、もう少し1本の作品としてまとまりのあるものでも良かったように思う。そうしたものの方が後々見る価値のあるものになるような。
あととにかく桜田ひよりはとても良いなと思いました。