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映像研には手を出すな!の特売小説のレビュー・感想・評価

映像研には手を出すな!(2020年製作の映画)
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原作の存在は知っている、テレビアニメ版は第1話のみ観賞、という立ち位置、その他の思想的背景も文脈もなしに臨みまして。

やべえなと思いましたよね。

うる星のメガネ、パトレイバーのシゲさんと遊馬が呉越同舟、一蓮托生でアベンジャーズ結成して立ち喰いそば屋で御先祖様万々歳してるみたいな雰囲気に呑まれて前のめりになっちゃって。

最終的に観るものの感情をそこへ運ぶのならばアニメーターを目指す娘さんとそれを言語道断とする両親の対立に関してもっと言及すべきだったのではと。

或いはまた物語の中心である映像研と、部活動として規模や立ち位置を同じくする弱小且つ反体制組織、無数にいる彼らの理念上の差異や関係性を明確にしてほしかったなと、観賞後には思いましたけれども。

最後の山場に於いてはもうやべえな俺これ油断したら号泣すんな、そんなみっともない事態は避けなきゃなんねえなやべえな、と思ってましたよね。

彼女たちの友情に。

物事に打ち込みその情熱を発露、共有したいと願う、即ち自己実現を目指す馬鹿野郎どもの共鳴に。

気持ちを震わされてしまいましたよね。

んで結果として。

ほぼほぼ唯一、もう少し気の利いた切れ味の好いラストを用意出来なかったのかという不満を感じたものの。

おそらくは尺との兼ね合いで以て物理的に軽く触れるだけで済まさざるを得なかったであろう数々の逸話とそれに伴う細部の設定についても興味が湧きましたし、数多登場するキャラクターはみな魅力的、殊に個人的には極度に人見知りのアニメ監督ちゃんに萌え倒しましたし。

観てよかった、面白かったという感想を持ちましたよ、と。
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