ひでG

私の知らないわたしの素顔のひでGのレビュー・感想・評価

私の知らないわたしの素顔(2019年製作の映画)
3.5
ジュリエット・ビノシュ主演ということでチョイス。

前からちょっとずつ関心があった。(アマプラの候補作を探す時、3秒くらい止まるやつ😆)

ファーストシーンは、主人公クレールのアップ。綺麗なお顔立ちだが、すっぴん?アップになると、年齢は隠せない感じ。

ジュリエット・ビノシュ演じるクレールは、大学教授、離婚して子ども2人を育てている。かなり歳下の恋人とも熱々の仲。

映画は、そんな彼女がセラピストに語るという形で物語が進んでいく。

歳下のBFと疎遠になった寂しさから、SNSで24歳のクララと名乗り、BFの友達アレックスに接近していく。

SNSの擬似恋愛が本気の恋愛に変わり、本物とSNS上とが交錯して、ぐちゃぐちゃに入り組んでいく。

かなりキワモノ的な雰囲気もするが、終盤の話の持って行き方は、なかなか工夫して、掴み処が難しくて、面白い。

そもそも、大学教授な彼女が何故、
浮かれた若者がやるような成りすましに手を染めたのか、その理由も明らかになる。

日本でも、「若いことは素晴らしい!」発想のアナウンスがどんどん流され、オジンの僕でさえ、それに影響され、「お肌のアンチエイジ?」のため少し高めの化粧水塗ってるけど😅
欧米では日本ほど必要以上に年齢を気にしないと聞いている。

そんな中で、国際的女優のジュリエット・ビノシュが「若さと老い」という大きなテーマに取り組んだのは、すごいと思う。
美しい彼女、衰えた彼女、自らの「顔」の造形で、観客に様々な感情を呼び起こした。
虚と実が絡み合い、何が彼女の実態なのか、
作り出した虚が実の彼女を支配し、実像は自ら作った虚像に嫉妬する。

ラストカットも、「どっちだ?!」と想像を掻き立てられて、なかなか興味深かった!
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