ゆっきー

ミチューリンのゆっきーのレビュー・感想・評価

ミチューリン(1949年製作の映画)
4.0
カラー作品。ウクライナの農学者の伝記映画。
自然を詩的に撮るのが得意なドヴジェンコにはもってこいの題材。美しかった。
しかし、ソビエト映画はどうしてもプロパガンダ要素が入っちゃうので、作品丸丸愛することが難しい。

冒頭の雲と大地の撮影からして糞美しいわけだが、中盤の助手にして最愛の妻が死ぬシーンはもうね!パラジャーノフの『火の馬』以上の、過剰さ・映画表現としてのぶっ飛び具合・それでいて詩的 だった。

いやほんと妻が死ぬシーンが凄い。死の床の妻とミチューリンのカットから突然、美しい農村を歩く若い少年少女のカットに切り変わりーの、それが何度も細かくカットを割りーの、二人が成人して、愛の言葉をつぶやくと風がぶわーーっと吹きーの、木の葉が舞い散りーの!
風が凄すぎて笑っちゃうくらい。まじでエモい。二人が年老いていくのを見守るかのように、花が咲きほこった木が、一瞬にして枯れ、現実のシーンに戻るのだが、もうここヤバすぎる。
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