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宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-のtakのレビュー・感想・評価

3.8
オリジナルの「新たなる旅立ち」に「ヤマトよ永遠に」テレビシリーズ「ヤマトⅢ」の要素を加えて再構築した新作前編。

惑星のコアが崩壊しつつあるガミラス星からの移住計画が進む中、ヤマトは地球政府要人とガミラス大使を乗せて大マゼラン星雲へと赴く任に就く。突然ガミラス星に正体不明の敵が迫り、ガミラス星が崩壊したことで、双子星であるイスカンダルが軌道を外れて暴走を始める。追うガミラス艦隊に迫る強大な敵。イスカンダルとガミラスの危機と、地球の政治的な立場の狭間でヤマトは…。

ヤマトを旗艦とする3艦の部隊で、真田志郎と森雪がそれぞれ艦長となっている。前作の結末で古代と雪が背負った重い十字架。出航前夜に、沖田十三像の前で交わす言葉にただのカップルではいられない辛さがにじむ。不穏分子とされる部下の処遇について悩む古代に、並んでいる雪が黙って肩に手を回す場面では、もうそばで見守るだけの存在ではなく、苦楽を最前線で共有する関係だと、無言で納得させてくれる。

そしてさらにかつての裏切り者がヤマトに乗船する。

総集編的な「宇宙戦艦ヤマトという時代」では、真田志郎の目線でシリーズを総括したが、今回は芹沢統括司令の目線でこれまでが振り返るところから始まる。これまで古代進たちの信念や行動と対立する存在でもあった彼だが、これまでの出来事と彼らをどう見ていたのか。

先達に誓ったデスラーの強い信念が描かれる。溶岩に覆われた地表に船を近づきながら「一人でも!」と叫ぶ姿、難民を救おうとする姿が心に残る。

さらにイスカンダル星の地下サンクチュアリの秘密など、これまでになく様々な要素が入り混じる。2月公開の後編が楽しみで仕方ない。
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