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カサブランカのmarnimのネタバレレビュー・内容・結末

カサブランカ(1942年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

第16回アカデミー賞受賞作。
映画史に燦然と輝く不朽のラブストーリー、今回ようやく見ることができた。
事前情報なく鑑賞したが、第二次世界大戦時に製作された映画ということで、反ドイツの要素がかなり盛り込まれていて驚いた。
映画を見てる方としては、親ドイツも反ドイツもないのだが、酒場でドイツの愛国歌を歌っていたのを、ラズロがバンドに命じて「ラ・マルセイエーズ」を演奏させ、店内の客が大合唱するシーンは圧巻で、見てるこちら側も勝手に反ドイツになってしまうから不思議である。

主演の二人に言及させていただくと、本作で初めてイングリット・バーグマンという女優を見たが、「絶世の美女」と呼ぶに相応しい美しさであった。
彼女を見た後では、今まで可愛いと思っていた日本のタレントもブスに見えてしまう。

一方、ハンフリー・ボガートの方であるが、こちらも本作で初めて見たのだが、決して二枚目という感じはしなかったのだが、演じているリックがカッコ良すぎる。
渡航費の足らないブルガリア人夫婦を、さりげなくカジノで勝たせる場面は、彼が人情家と呼ばれる素顔をよく表している。

そしてこの映画のラスト、危険を顧みず自ら身を引いて、ラズロと愛するイルザを亡命させるシーン、「君と幸せだったパリの思い出があるさ。君の瞳に乾杯。」なんというカッコいいシーンであろうか!
涙で潤んだイルザの美しい瞳が、見ている者の胸を打つ。

主演の二人、ロマンティックなラブストーリー、粋なセリフ、「時の過ぎゆくままに」の映画音楽、さらにはイイ味を出す警察署長、ついでに「君の瞳に乾杯」の名訳も含めて、全てが美しく包まれている素晴らしい作品であった。
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