エアール

カサブランカのエアールのレビュー・感想・評価

カサブランカ(1942年製作の映画)
3.7
ボギーとバーグマン、言わずと知れた不朽の名作ですね。
インテリさの中にどことなく野暮ったさといいますかね、いい具合に醸し出すバーグマンの魅力ときたら、これがいいんだな〜笑


はて、第二次世界大戦下
ヨーロッパではナチス・ドイツによる侵略が進む最中
戦火から逃れようとアメリカを目指す人々、
亡命を求め遠路はるばるやって来た人々が足止めを食らう場所
そこが仏領モロッコ カサブランカ
ーーここからポルトガルのリスボンを経由してアメリカへ渡れる人間はごくごく限られている。
何故ならば出国ビザ、またはドイツ軍が発行した通行証が必要であり、これがバカ高い!!!
よほど金を持つ人か、悪事でもしないかぎり手に入らないわけですね。

だが他の経路の厳しさを考えると
結局これが妥当なんですけど 笑

ここカサブランカで
”リックのカフェ・アメリカン”という酒場・賭場を経営するひとりのアメリカ人男性
ーー彼の名前は看板にもあるとおりリック。
巷では名の知れた、皮肉屋で余裕を醸す、そして人情にもろい男
ーーそんな彼をボギーが魅力的に演じております。

そこへ突然現れる、過去に本気で愛した女性 イルザ
ーーカサブランカに来る前
パリにいた頃、そこでイルザと出会ったリック。
短い期間ではあったものの愛を交わし合い濃密な時間を過ごした。
ドイツ軍の侵略で占領されるのも時間の問題、
一緒にパリを出よう、と約束し駅で待ち合わせるがイルザはとうとう現れなかった…。
いったいなぜ?、そしてもう2度と会うことはないと思っていたのに…。

イルザは結婚しており夫のラズロは
反ドイツのレジスタンスの幹部で反ナチ運動や会合を開いたりと精力的に活動している、その道の大物
ーーもちろんドイツ軍からすれば生かしてはおけない敵なわけでして、
実は捕らえた過去もあるのですが収容所から脱走されたみたいです。
このように数回にわたり逃げ切られているんですね。


強盗殺人
ーードイツ役人殺害と通行証の強奪、
通行証を託されるリック
ーー託した人物いわく、
ある人に大金で売り捌く、のだとか、
通行証を手に入れ渡米を目論むラズロとイルザ夫妻、
祖国愛、
再会したことで再燃する想い、
美しいパリの思い出と破られた約束、そして真相、
本当に心から想う人相のためにも、そして世のために何を選択するか、
時に騙し、時に騙され、
ロマンスとサスペンスのミックス、
心に響く数々の名言、…。


ゆうべ どこに?
ーーそんな昔のことは覚えてない
今夜 会える?
ーーそんな先のことは分からない
間髪入れず、素晴らしいセリフまわし 笑
なんだかんだこれが1番のお気に入り 笑
エアール

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