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461個のおべんとうのmatchypotterのレビュー・感想・評価

461個のおべんとう(2020年製作の映画)
3.6
《料理の映画》、Vol.10。
10作目まで来た。この企画、観始めたら結構いっぱいあって、美味しく、楽しくなってきた。

前回からの“弁当”つながりで。日本の“弁当”。
これ、いいね。
なんか、自分が学生時代に食べてた母親の“弁当”に何か意味やドラマがあったんだな、と今さら感謝の念が芽生えてくる。

親の都合で離婚して、とりあえずそのまま流れで父親と暮らすことを選んだものの、高校浪人して、一世代後の後輩たちと肩を並べて高校入学。

父親の思いつきで毎日弁当を作る。
代わりに子供は休まず学校に行く。

その弁当はなかなかの出来栄えでSNSでも学校でもそこそこ話題になり、その弁当から父親サイドも子供サイドにも繋がりができ始める、、、。

イノッチと道枝駿佑。道枝くん、なにわ男子だったか。彼、シャープでシュッとしててるけどふんわりしててカッコいいな。

にしても、森七菜、可愛過ぎる。別格の輝き。
彼女が出てくるとこの映画の本題が奪われかけてしまうほど強いインパクトがある。

彼女と道枝くんとの間柄。そんなにロマンチックさはないけど、高校生の初々しさと悶々とする歳頃の中で育む友情というか。
複雑な年代だからこそ、複雑同士で分かり合えるところもあってそれを主張し合うでもないというか。
、、、と、そこがメインな映画ではないけども。

ミュージシャンという職業柄、生活する時間帯も違い、毎日家にいるわけでもない。
だからこそ、父親としてある意味弁当作りに“子育て”や“親の気持ち”、つまりは“愛”をできる限りに詰め込む。

子は子で、最初はありがた迷惑な話だったが、その弁当で話題ができ、繋がりができ、何度もつまづきそうだった学生生活を何だかんだと乗り切る。つまり“愛”を感じて生きられる。

その“愛”は時には鬱陶しかったり、邪魔だったり、恥ずかしかったり、それが子供。

かと言って高校生活は別に親が付きっきりで手取り足取り育てる年代でもない。
特にこの映画では男親と息子の話なので、関係性としてはさらにこざっぱりする。

男同士はこんなもんだと思うが、だからと言ってお互いが無関心かというとそうでもない。

お互いの生活、人生にも色々あるし、できることもあればできないこともあるけど、全てはうまく行くと思えば楽になることもある。

そんな子供の世界と、親子の世界を“弁当”が繋ぎ、映し出す。時に切なく、暖かく、ほっこりと。
何か最後の“弁当”のシーンは定番だけど一緒にジ〜ンとしてしまったな。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
https://community.discas.net/announcements/ib1wyncr43idknqm
別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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