西川美和監督個人名義作品5勝負けなし。
同監督のファンと言っても過言ではないにも関わらず、フイルマークス主催の試写会にハズれた為、腹いせに笑公開初日の1発目に鑑賞。
西川監督の何が好きって、人間の描き方。
毎回ココロの内側をエグってくる感覚。
そして、毎回考えさせられる。
元ヤクザ三上(役所広司)の出所した後の生活を、西川監督の切り口で描いています。
最近のヤクザの生きづらさは先日鑑賞した「ヤクザと家族」でも十分過ぎるくらいに痛感しましたが、今作でもしっかり見せてきます。
まともに「カタギ」として生きようとしているだけなのに、生来のまっすぐな性格と直情型の気質がアダになって、なかなかうまくいかない三上。
その辺りをさすがの演技力で演じる役所広司。
静と動のバランスに惹き付けられます。
周りを固める俳優陣も盤石。
特に津乃田を演じる仲野太賀が見事でした。
三上という人間を追っていく中での自身の心情の移り変わりが表情 行動でしっかりと伝わってきます。
長澤まさみはチョイ役ですが、いかにもTV局にいそうなタイプ。
しっかり男側からのエロ目線シーンあり(„፰ ᎕ ፰„)
ちなみに北村有起哉、今回はヤクザじゃなく役所の職員でした。
現実でも、悔い改めて真っ当に生きようとする出所した人間の邪魔をするのは、社会だったり、人間だったりするんだろうなと思う部分が多々あり。
その中でも今作は、
現実社会での受け入れなければならない部分や人間の温かさを、対等に接しながら三上に伝えていく周りの優しい人たちにグッとくるものがありました。
ラストの締めくくり方も、なんとも言えません。
しっかり泣かせてもらってからの、カメラの引き。
すばらしいタイトルバック。
それでも世界はまわっていく現実。
また涙。
ハズれない西川美和監督。
6勝負けなし。