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すばらしき世界のyuuのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.5
またすごい映像と演技力が光る映画で、本当に考えさせられるような映画でした。

簡単な内容は、殺人の罪で10年の刑期を終えて刑務所から出所した主人公の三上正夫。三上は顔は強面ですぐにイラッとしてしまうが、その内面優しさや、困っている人を見るとほっておけない人間だった。そんな三上の元にテレビディレクターの津乃田と吉澤。最初はテレビで三上が母親を探すためにテレビに出るはずだったが、次第に三上の出所後の社会に適応するために働く姿や苦労する姿を描くと言われる。三上は社会に適応するため必死に仕事を探し、車の免許を取ろうと努力をするが、社会は三上をどういう目で見ているのか、三上が社会に適応するまでの努力と葛藤を描いた内容でした。

この映画はずっと映画上映する前の予告でやっていてずっと観たかった作品でした。やっと観れて嬉しい気持ちと、考えさせられる映画でした。

以前にヤクザと家族の内容と少し重なる部分があって、反社の人に対しての国や周りの人の見方が切なくもちょっと安心するような描き方でした。

ヤクザと家族でも出演していた北村有起哉さんが今回は役所の役員役でなんかちょっと新鮮でした笑。でも、北村さんの役どころと演技がとても良かったです。三上演じる役所広司さんはもう素晴らしいだけじゃ勿体無いぐらいの演技でした。なんて言っていいのか分からないぐらい三上に上手く重なるような演技でした。六角精児さんと太賀さんも良かったです!太賀さんの最後の表情と演技力からグッとくるものがありました。。

反社の生きづらさやどれだけの努力をすれば社会に適応できるのかが、壮絶かつ苦悩も描きながら街や空の情景を入れながら鮮明に表現されていました。ヤクザと家族とは設定は同じな感じですが、周りにいる人間やその人自身の考えていることの違いでどれだけ変わるかが分かりました。

最後のシーンはそこでそれがくるのか。。とびっくりしたのと、三上のこれまでの努力や苦悩であったりを考えたらもう涙が止まらなかったです。こんなにも鮮明で美しく描かれている中に、ちょっと泥くさい感じが入っているのは、素晴らしいなと思いました。

ヤクザと家族の時もそうでしたが、自分の反社や犯罪者に対する見方が少し変わるんじゃないかなと思います。みんながみんな三上のような人とは限りませんが、決して決めつけてはいけないと思いました。それを六角精児さんが演じているので、感情移入もしやすくなっていると思いました!

本当に最近上映されている邦画のレベルが半端じゃないなと感じました!めちゃめちゃ考えさせられましたね。。
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