ヤクザが刑務所を出て厚生するまでを描く。とは、ただ単純に言いたくなくなるような繊細で心が痛くなる作品だった。
三上は感情を抑え切れず、状況を暴力でねじ伏せる面がある一方で人と打ち解ける能力が長けていて、優しく、手を差し伸べくなるキャラクターでもある。
隙間に落ちた人間にもまた、それを救おうとする隙間がある温かみを感じた。
小さな世界に、大きな愛。
三上が過去に過ごした養護施設を訪れたとき、子供たちとサッカーをしながら触れ合い涙するシーンで、
子供を守る団体や組織はあるけれど、子供の未来を守ることに着目するというのは案外大切なのかも、と思った。
感情を抑えようと苦しむ姿、表情が印象的すぎて、頭から離れないほど凄かった。
介護施設の職員役で、「恋の渦」にも出演してた松澤匠という俳優さんが、クズ役が本当に似合いすぎて気になってきた。