このレビューはネタバレを含みます
ザ・ノンフィクションを観ているような感はあったけど、私の中では三上が園歌を口ずさんだあのシーンからなんだか妙に親近感を持てた気がしたの。
テーブルの大きさは変わらないのに、画角が変わっただけで三上とおばあさんの心的距離がぐっと近付いたのが分かるとても良いシーンだったと思う。
西川美和の作品ってハッとするようなシーンが必ずあるんだよね。
介護施設に就職してからの流れは、ヤクザでもないし、そこまでドラマティックなことが起きてないだけで、日本人の人生なんてこんなもんなのかもしれないなーって。
それだけに、ルポライター?小説家?の津野田の役が純粋すぎるのが気になってしまったりはした。
あと長澤まさみの蛇足感。
わざわざあの役があの台詞を吐いてしまうことがちょっと大衆的というか。
皮肉ではあるんだけどさ、もっと他のアプローチでも良かった気がするの。
知的障害を持つ阿部くんの役をやってた俳優、うまかったなー。
田村健太郎っていうらしい。
あの差別的な物真似もわりと容赦なくて、観てて口の中が砂利みたいな味になった。
スクリーンの中の三上に何かアクションを起こして欲しいと願ってしまう自分のエゴよ。
あと出番は短いのにキムラ緑子さんの役も良かったなー。
個人的には弁護士の役どころが一番人間らしいなーと。
親身にはなるけど孫のバースデーよりはプライオリティ低いからドアすら開けないっていうw