すばらしき世界のじのネタバレレビュー・内容・結末

めっちゃ刺さりました。
善悪を0,100で考える人の多い世の中への問題提起。
理不尽を前に、戦って解決する手段しか持ち合わせない不器用な三上と、自分を護る為に勇気ある撤退で社会をいきる三上に関わる人々、両者の相互関係による成長に喰らいました。
誰でも善悪は持ち合わせているのに、悪を排除する事で自分を善だと確立する風潮があることに強く共感しました。
以前までの、銭湯の刺青のある方ご入浴禁止というルールに対し、刺青のある方が悪い方だと決めつけていて可哀想だなとだけ考え、自身の善を前提とし、他者の悪について考える思考回路がとても未熟に感じました。
前半、三上が絶望の中、電話ボックスの中から自身と対比的に見た「社会」の風景。その1部であったスーツ姿で電話をしながら歩道橋を上がる社会人の姿。
後半には、その姿と全く同じ三上を、逆に電話ボックスの中からの視線で撮っていたことで、三上の「社会」への復帰を感じた。
相手のレッテルに左右されず、真摯に向き合い、善悪を0,100と見なさずに、50の対応も出来る人になりたいと思った。
「すばらしき世界」という題名にアイロニーしか感じない作品、良かったです。