「娑婆は我慢の連続ですよ。我慢のわりにたいして面白うもなか。そやけど、空が広いち言いますよ。」
これだよ。このすばらしい映画で一番、すこーんと心に刺さったセリフ。キムラ緑子さん演ずる姉御が、切羽詰まった状況のなか三上を逃がそうと必死で説得する際に発せられる言葉。
空は広い、そして他人は意外にも結構優しい。
人はいつだって成長する機会があり、その時さえ逃さなければ大きく変わることができるのだろう。
主人公の三上は完全なる善人ではない。未だ未熟で、物事の解決方法は瞬発的な力任せで難ありだ。
彼のような人物を迎え入れる社会もまた、未熟であることは皆さんご存じの通り。
この作品はひとつの奇跡的なケースであり、そうではない場合が多いからこそ、この映画が胸に沁みるのだと思う。
それでも、誰だって可能性はある。自分を信じて、他人を信じてがんばろう。平凡な感想でごめん。
