役所広司主演の映画を見ると、彼と同じ時代、同じ国に産まれて良かったと心から思う。
なんでこんなにも役になりきれるのか不思議でならない。あんなにPERFECT DAYSでは、平凡のどこにでもいるようなおじさんだったのに、この作品では元ヤクザにしか見えなかった。
刑務所で人生の大半を過ごしていた男が、刑期を終えて日常社会に出ていく話。
生きていく上で、どこに視点を置くのかで人生の景色が変わることに気付かされる作品だと感じた。
周りの人が冷たい。刑務所上がりだからって差別する。自分は世の中に必要とされていない。そういう目で世の中を見れば、そういう人が目についてしまい、自分は落ちていってしまう。
でも多くはないかもしれないけど、自分の味方になってくれる人はいるし、信じて励まし続けてくれる人もいる。そういう人の言葉だけを救って、大切にしていけたら、もっと生きやすいのにね。なんで棘のある言葉の方を大きく見てしまうんだろうね。
見終わった後に『すばらしき世界』というタイトルの意味をぐるぐると考えてしまった。