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プラットフォームのアツのレビュー・感想・評価

プラットフォーム(2019年製作の映画)
4.1
【縦型閉鎖空間を舞台に格差社会の非情を描くスペイン産SFシチュエーションスリラー】
そんな1本。

予告で気になっていた作品。

[プラットフォームってこんなお話 ]

主人公が目を覚ますと
コンクリむき出しの部屋。
壁には[ 48 ]と数字が刻んである。

部屋の中央の[ 天井 ]と[ 床 ]には
大きな[ 四角い穴 ]が開いていて
覗いてみると[ 吹き抜け構造 ]で
上下ともに終わりが見えず
どちらもめっちゃ階層がありそう。

主人公と同じ部屋に見知らぬ老人も居て
ここの建物の入居歴が少し先輩らしく
情報を教えてくれる。

ルールは3つ。

1⃣[ 1ヶ月 ]ごとに階層が切り替わる。
…(数字が若いほど上層階。階層選択の自由は無しでランダムに割り当てられる)

2⃣ひとつだけ[ 好きなもの ]を持ち込める。
…(部屋に入居する前に自身で選んでいるもの。ちなみに主人公はとある理由で自分の意志で入居。持ち込み物は[ ドンキホーテの本 ])

3⃣食事が出来るのはプラットフォームが部屋の中央に停止している[ 数分間 ]だけ。
…(但し食料をストックする事は出来無い。ストックすると部屋が加熱or冷却されて死に至る)

すると
ゴゴゴ…って音がして部屋の中央に
プラットフォームと呼ばれる大量のご飯が乗った石のテーブルが降りてくる。

のだけれども…
テーブルの上の料理はすでに
上層階の住人に食い散らかされた
[ 残飯状態 ]でぐっちゃぐちゃのぐちゃ。

最初はこんなの食べれるか!って憤慨していた主人公だけど
やがて背に腹は変えられず
食べることになる。

その内
同居人の老人とも一緒に体操とかもする位意気投合し仲良くなる。

ひと月が経過するある日
ガスの匂いがして強制的に深い眠りに…。

次に目が覚めると
主人公はベッドに手足を縛られた状態。

そして壁の数字は[ 171 ]

さあどうなる………!?



っていう[ CUBE ]系なお話。

もうね。
食事のビジュアルと咀嚼音がキモい。

他にも終始気持ち悪い絵面が続くので
ずっとこんな顔で観てた( ・ั﹏・ั)

老人が自分の持ち込んだものを説明するために通信販売の話をするシーンは
アッハハハwwウケるwwからの急転直下。
ゾッ…とした。あれは怖い。

格差社会を縦構造の建物と食事で表現していてわかりやすい。そして、エグい。

上層階(勝ち組)は下を蔑み憐れむ[ のみ ]

下層階(負け組)は上を妬み嫉み
暴言を天に吐くも届かず相手にされず。
仕方ない為
同列若しくは更に下層階と醜く争う。

自分の生存のために必要最低限を得れば
他のものに行き渡るのはわかっていても
人は足ることを知らず
必要以上に貪り続ける。

他者への思いやり!共生の重要性!
そんな叫びも虚しく響くだけ。
綺麗事の脆弱さたるや…。

そこに現れる破壊者や共闘者の存在で
主人公は段々と変貌を遂げて
満身創痍の最後のルックスは
まさに[あのお方]。

宗教観が色濃く出た作風だけど
テーマとしては世界共通なので
わかりやすいと思う。

注意点として
何か崇高なメッセージ性とか
システムの謎解きの快感とか
アクションの爽快感とか
スッキリした結末とかは全くないので
そういうのは期待しないほうが良い。

なら観んわ!っていう声が聞こえて来そうだけど決してつまらない映画ではない。

あ!
世界一パンナコッタを死守しようとする人が観れるのでそこは期待して良いw

あとどこかの紹介文で
「グロいシーンもあるけど
モザイクかかるから大丈夫だよ!」
みたいなの読んで
なら安心って鑑賞してたら

[モロ]だったんですけど…。
_| ̄|○‹ ォ, ォェ-

モザイクどこいったのよ?と巻き戻して確かめたけどやっぱり無くて
_| ̄|○‹ ォ, ゥォェ-

ってなったのでそういうの(どういうの?)が苦手なかたは気をつけて!

なんか賛否両論なのもわかるし
でも観終わって不思議と
僕はそこそこ[ 賛 ]な作品だったかな。

最後に今作をこれから観る人へ。
観るのなら食後がいいよ。
食前はオススメ出来無いな。
まあ、食事中は駄目ゼッタイなのは
『明らかだ』
アツ

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