カレーをたべるしばいぬ

プラットフォームのカレーをたべるしばいぬのネタバレレビュー・内容・結末

プラットフォーム(2019年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

明日観に行く予定のNOPEに先だって同じ(?)SFの本作を鑑賞。

■超簡易概要
一階層につき2名の人員、定期的に降りてくるのは上階の人間の食べかけ・・・。施設の目的は?主人公はなぜここに?最下層は一体?

■アクの強い映画
二重三重の比喩表現、風刺表現が含まれている(資本主義的社会、ヒエラルキー、人体の消化プロセス等)が、それが映画体験を充実させる方向に働いているかと聞かれると微妙。「あ~まぁこういうことが言いたいんだろうな」と何となく思いながら観る時間が続く。

■登場人物がアイコニックかつ自然
ジュマンジのように、一人一人のキャラが立っていて良い。また、キャラの行動理由や行動順序に不自然さがない。

■小声のスペイン語
あまり体験がなく新鮮。ドン・キホーテなど、スペインならではの要素が多そうだが疎くて全ては拾えなかった。


■QUBEになりきれなかった?
【何だかよく分からない閉鎖空間で、観客に考察させながら展開する作品】は星の数ほどあり、この作品が特別秀でている点は思い当たらない。
この手の作品ではお決まりとなっている「極限状態への疑問と順応」、それに伴う「狂気への落下と受容」は丁寧に描かれているし、途中の展開や説明も分かりやすい。それだけに、冒頭からラストにかけて一貫して残る謎もちゃんと説明して欲しいという現代っ子的わがままを言いたくなる。
少しだけ間延び感もあり、QUBEとほぼ同じ尺であることを考えると、あちらは飽きの来ない構成になっていたんだなと再認識。

■注意
エグめのグロ表現や残飯漁り等の人によっては本気で無理な描写がある。
ただホラーではなく,ジャンプスケアも無い。

■蛇足
小さい頃にこういった作品をよく親父と観ていたので、考察系映画を観ると当時のようにエア親父?が『これはこういう事かもしれないね…』と思考を補助してくれるのが楽しい。