このレビューはネタバレを含みます
記憶喪失にフォーカスした、ひたすらにディープなノンフィクションのドキュメンタリー映画。重すぎて見なければよかったと思う瞬間もあるけれど、きっと目を逸らしてはいけない現実も含まれているのだろうと言い聞かせ、無事なんとか最後まで見ることができた。
たとえ双子であれ、自分以外は他人だ。
双子の間に秘密や嘘があったとしても、アレックスを守るために嘘をつく必要だってある。
もちろん真実を伝えることがベストなのだろうけれど、過去の性的虐待についてまで教えるべきだったのだろうか。アレックスは記憶喪失のままでいたほうが幸せだったのではないだろうか。
マーカスならではの優しさもあったのだろう。小生自身がもしマーカスの立場ならなんとかはぐらかして過去の虐待は告げる勇気はない。
繰り返しなるが、たとえ双子であってもほどよい距離感というのは大事なのかもしれない。
バイクの事故で記憶を失った人を追ったドキュメンタリーというよりかは、通称”親ガチャに外れた人”を追いかけたドキュメンタリーだと思った。
これら全てがノンフィクションであるが故に人間の奥底にある闇に触れることでまた一歩最終的に自分が自分を味方しなければ誰も守ってくれないということを感じた。もちろんみんながみんなそうではないとは思うけれど自分は幸せな家庭で育って良かったなと思える作品だった。