カタパル

Relaxer(原題)のカタパルのレビュー・感想・評価

Relaxer(原題)(2018年製作の映画)
3.7
ルイス・ブニュエル監督作品『皆殺しの天使』からの着想を得た不条理劇。しかし、本作は更に複雑な構造となっています。両方とも狭い空間に閉じ込められ、その空間の中で話が進みます。

『皆殺しの天使』の場合は見えない力によって豪邸の一室に20人ほどの富裕層ゲストが閉じ込められます。"Relaxer"の場合は兄の部屋にニートっぽい弟が閉じ込められます。『皆殺しの天使』の場合は音楽(反復構造など)が閉じ込めるモチーフになっていますが、"Relaxer"の場合はゲームがモチーフになっています。そして、ゲーム(チャレンジ)の中のゲーム(パックマン)に閉じ込められるといういメタ構造になっています。

本作はメタ構造によって閉じ込められる空間が更に複雑になっています。そして、閉じ込められる対象である弟の存在が徐々に曖昧になっていきます。『皆殺しの天使』は中と外の境界線が非常に明確に描かれているのですが、"Relaxer"の場合は閉じこもっているのが心なので明確な境界線がありません。

ちなみに、いろんなところで『皆殺しの天使』へのオマージュした場面が出てきます。水道管や動物の使い方は完全に『皆殺しの天使』ですね。