スローモーション男

カサノバのスローモーション男のレビュー・感想・評価

カサノバ(1976年製作の映画)
4.8
 こりゃとんでもない傑作映画だ!

フェデリコ・フェリーニ監督作品。

18世紀の貴族ジャコモ・カサノバの大性豪ぶりを堪能する2時間半の映画。

 カサノバの政治家や哲学者、作家としての才能が分かるシーンはほとんどなく、ただありとあらゆる女性とヤりまくるだけの映画。なのに監督がフェリーニですから巨大セットで豪華絢爛な映画に仕上げ、まったく退屈しないのです。

 もう最初のsexシーンから狂ってるw
修道院の女性とアクロバティックな体位をしまくって謎のからくり鳥に合わせてやる!!!

 それでもってsexシーンがめっちゃくちゃ下品‼️個人的に映画のsexシーンでキレイに見せる作品は生理的に無理で苦手なんです…。だって汚いでしょ、sexって。欲望の塊ですから。フェリーニは本当に汚く滑稽に見せてくれる。だから笑って見れる。みんなロマンチックなものとか幻想抱いているけどちげぇよって。
そのカサノバ役がドナルド・サザーランドでヤバすぎます❗紳士に見えて頭とちくるってる

 ホドロフスキーとかパゾリーニの世界観よりぶっとんでる!『道』を作った人が暴走したらこうなります。

そして最後は悲しすぎる…。あれだけ名声があったカサノバが富も名誉も失くし、最後はヨボヨボのおじいちゃんとなりダッチワイフと踊ってしまう。
色んな女性と関係を持ったのに、一番妖艶にそして幸せそうに見えるのがこのダッチワイフのからくり人形とのダンス!
これで終わらせてしまう。
今のところ今年の旧作で一番おもしろい
あとこれテーマはハネケの『ピアニスト』と似てますね。


フェリーニ恐るべし……。