ハル

花束みたいな恋をしたのハルのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

別れるまでが、二人のきらきらした日常よりもずっと印象的だった。結婚式の階段で、別れるから、と目を伏せる麦と笑う絹。ファミレスで、向かい合って、終わりを引き延ばす二人。泣いた麦の横顔があまりにもかなしくて、かなしくて、そのかなしみがものすごく、美しかった。大きな悲劇も派手な幸福の頂点もないけど、恋愛のパーティーは眩しくて、過ぎ去った後は自分を構成する一部みたいになる。深い傷ではないけど、ときどき思い出すと、よかったな、嬉しかったな、という少しだけ痛む記憶になる。
永遠を無邪気に語れる麦と絶対に同じ台詞を返さない絹のズレがリアルだった。ファミレスで結婚の話を持ち出した麦には正直めちゃくちゃ冷めたけど、ラストの後味は悪くなかった。
ハル

ハル