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花束みたいな恋をしたのchcltmilkyのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます


セリフは曖昧ではあるが、左右で出ている音が違うのに分け合うなんて別々の曲聞いてるみたいなものといったニュアンスのことを言っていた時、通だなと思った。
映画の中の二人は本や漫画、音楽など好きなもの何もかもがシンクロしていて、つくづく羨ましく感じた。
また「電車に"乗ること"を電車に"揺られる"と表現してるのが良い」という絹の言葉の紡ぎ方は素敵で、自分も言葉を織りなしていきたいと思った。
ストーリー全体に対するレビューとしては、交際2年目に麦が仕事で絹と舞台を行く約束をどうするか話しているシーンが、二人が別れずに済むかのどうかのターニングポイントに感じた。麦が仕事の合間を縫って、約束を果たそうとしたのに、絹からすると、麦が自分のために仕方なく約束に付き合うようにように感じてしまうことは、女性特有の性格が現れていたシーンに思えた。そして、言い方も少し怒り口調で言い出すところもそうだ。
総括すると、どんなに価値観が一緒であろうとも、日々の労働で、心に余裕がなくなったり、生活習慣のすれ違いによって、お互いへの思いやりの気持ちがだんだんと減っていって、思ったときに言いたいことも言うことすら面倒になってしまった結果、二人の別れは終わりを告げたのだろう。
それは、付き合ってる人たちみんなに訪れ得ることで、口で言うのは簡単ではあるが、相手の気持ちを推し量りつつも、価値観を擦り合わせる努力を続けていくしかないと思う。

にしても、本当にいい映画だった。
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