このレビューはネタバレを含みます
いろんな意味で胸が痛い映画でした。
恋愛の価値観って、育ってきた環境によって違うからそもそも人それぞれなわけで。この映画において劇中のどこのシーンを取り上げて語るかによって、その人の恋愛性質がわかるんじゃないかなと思いました。
学生時代はカルチャーを纏う行為に奔走したし、反対にカルチャーマウンティングで分断されて傷心したこともあるから、前半部分はずっと胸が痛かった。
だから皮肉った映画だと思った。
『音楽、好きじゃないでしょ?』
LとRの話じゃなくて本質わかってないでしょ?ってことなんじゃないかな。
劇中に出てくる音楽や語彙を共通言語として語り合うことが、そんな自分が好きなだけで、相手のことなんて見えてない。
「自分のことだと思った」なんて感想を散見して、そうだよ、と思った。
本質のわかってない君のことだ、とこの映画はスクリーンから観覧者に指を刺す。
私もその中の一人です。