じい

花束みたいな恋をしたのじいのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

若くて美しくて眩しい2人の魅力、贅沢な“チョイ役”の皆さん、きちんと吟味された美しい言葉、確実で整った撮影や演出。
とても丁寧に創られた作品。

若い時の恋愛って麻疹みたいなものだと思う世代から観るとただただ微笑ましい。
そしてあんな美しく充実した恋愛を経ずに大人になってしまった私からするとこんな恋愛実在するんですか?と心が悲鳴をあげそうな都市伝説のようなおとぎ話でした。
その反面、若さ故の痛さや、互いを見ているようでいて結局は自分を写す鏡を見ていただけだった虚しさも炙り出す残酷さを秘めたおとぎ話なのでそういう時間をくぐってきた多くの大人にも響く恐ろしい寓話でもあったような気がします。

2020年パートは必要だったのかなとも思うけれどあの場面によって若い時の恋愛がどんなに美しく切なくても、どんなに苦しくても“替わりは利く”ということを表しているとしたらなんとも皮肉なほろ苦い大人向けの味付けの作品だと思いました。
さすが坂元裕二さん、一筋縄ではいかないですね。
じい

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