このレビューはネタバレを含みます
作中に「好き」や「愛してる」といった言葉がほぼ出てこない。そして気付けば取り返しのつかない溝が2人の間にできてしまっていた。言葉にしなくてもお互いの想いを共有できるという思い込みはとても危険な落とし穴だと感じた。
「普通って難しい」という現実を飲み込んだ上で理想の生活を追求する柔軟さが麦くんには足りなかった。一方で絹ちゃんも、もう少し理解を示したり歩み寄ったりしても良かったんじゃないかとも思った。
花束というのは綺麗で美しいものだけれど、根を張ってないから水をやってもやがて枯れゆくもの。儚くも綺麗なこの映画に相応しいタイトルだと感じた。
結婚を考える恋人同士は事例研究として鑑賞するのもいいと思う。