このレビューはネタバレを含みます
レビューとかではないのであまり読む価値は無いと思います。
多幸感に溢れる前半と、社会の中で擦れて変わっていく2人の関係性を恋愛エピソードのサンプリングだけで組み立てられたような作りを普通に楽しんで観ていました。
が、しかし。
新居で2人暮らしを始めた眺めのいいベランダで優しい風にふかれながら、むぎが「きぬちゃんとの現状維持が目標」と言っていたのが印象に残っていましたが、まさか最後にエグられるようなガタガタの形で現状維持を持ち出して回収されるとは思いませんでした。
つまり、最後のファミレスでのシーンで、一気にこちらの何かが来てしまいましたね。
最後のファミレスでのむぎの言葉と似たような事を、昔、自分もその時付き合っていた彼女に言って説得した事を思い出しましたね。
しかもお互いがもはや“無”になってる虚しさを自分でも分かっていながら。
むぎの言葉を借りるなら、明らかに悪い意味での「現状維持」というやつです。
で、まさに「それもいいかもね」と納得しようとしてくれて、でもそんなものよくないに決まっているから泣かれて、その時初めて自分はなんて大馬鹿なんだと気付かされるという始末。
そんな昔の自分を見せつけられたようでなかなかこたえました。
しかもこれもまた深夜のファミレスでの事ですからね。なんなら途中あんな感じで店の外にも出ましたからね。笑
とにかく、そんな感じで映画の最後にこうも個人的なところをピンポイントでえぐられると映画の星のスコアとかなんだかもうよく分かりませんのでつけません。
でも、今ではその時のことを、つまりちゃんと終わりをくれたことを感謝している自分にもふと気づいたりと、なんかこの映画同様に観終えてみれば割と爽やかっぽい気持ちでしたね。
最初どうなのかなと思ったそこらじゅうに散りばめられたサブカル的な諸々はそこまでノイズにならなかったですね。
むしろ好意的に楽しめました。
好きなんだけど、べつにめちゃくちゃ詳しいわけじゃないぐらいの自分のレベルがちょうど良かったみたいです。