フリーザ

花束みたいな恋をしたのフリーザのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.5
ここ数年の邦画の恋愛作品は軒並みクオリティ高い気がする。
これも例に漏れず。

クサいシーンをきっちり描き切っていて好感が持てた。ラストのファミレスのシーンや背を向けてバイバイとか。

リアリティのラインが結構低めというか「いや有り得ねえだろ笑」と言いたくなる様な良い意味で漫画的なシーンが多い。
それなのにそれぞれの出来事は中々リアルで、こんな経験ないのに「あ〜わかるわ〜」と何度も思ってしまった。

菅田将暉と有村架純の両視点の独白形式であり、どちらの言い分や態度も観てる側は理解出来る為すれ違いのシーンは尚更悲しい。

この手の作品でありがちな妙に生々しくて不快な気分にさせる為だけのシーンが無かったのもいい。
主人公以外のキャラクターも露骨に嫌な奴とか悪いやつという描かれ方をしていないのも良かった。『ショーシャンクの空に』と『魔女の宅急便』(実写版)の男女の件もあの人達が浅い人というよりはそういった人を小馬鹿にしてるサブカル野郎としての菅田将暉を描いているシーンだと感じた。と言うか菅田将暉も実写映画良く出てるじゃん!っていうネタ。

2015~2020年辺りの実在する音楽や小説や映画が出てくるのでそういう意味では賞味期限のある作品かもしれない。
2人とは同世代ながらびっくりするほど趣味が合わなかったのでそこまで深く刺さらなかったけど、趣味が同じだったら危なかった。

時間の流れを感じられる作品が好き(逆を言えばそれを感じられないとダメ)なんだけど、この作品は上記の様に実在のサブカルチャーに触れながら話が進むので良い感じに時間の流れを感じられた。
あぁほんとに5年間一緒にいたんだな、という感覚。

ラストの爽やかな余韻が良い。
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