なご

花束みたいな恋をしたのなごのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
5.0
◯終電を逃したことから偶然に出会った麦と絹。好きな音楽や映画、作家が同じであった二人は恋に落ち、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが、麦の就職をきっかけに二人の間にすれ違いが生じていく。

・「始まりは終わりの始まり。出会いは常に別れを内在し、恋愛はパーティーのようにいつか終わる。」
・絹といたいから懸命に働く麦と、今までのペースで麦と暮らしたい思っている絹がすれ違っていくのを見ていると、悲しくなる。
・社会に入れば学生時代のように自由ではない。それによって価値観も、興味を持つ対象も変化する。理想や夢があっても相手が同じことを考えているとは限らない。
・生きていくには仕事しなきゃと思わされる。どんなに楽しくてもそれがずっと続くことはなくて、そのことを忘れそうな時にもう一度見たいと思う映画だった。

〜メモ〜
・これまで、その当時の世相を反映するようなストーリーを手掛けてきた脚本家・坂元裕二さんが書き下ろした作品。
・劇中内で絹が麦に相談することなく転職を決めてしまい、お互いにケンカをしてしまうシーン。この時花瓶に飾られていたのはチューリップ。チューリップの花言葉は、「心の移り変わり」。
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