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静かなる男のごのレビュー・感想・評価

静かなる男(1952年製作の映画)
3.5
毎日映画コーナー190

静かなる男

アイルランドという村社会の、いいところも悪いところも詰め込んだ映画


かなり暴力と家父長制を肯定しまくってるので、現代人から見ると胸糞な映画だと思う

ダナハー兄はもちろん主人公もDVクズ野郎だし、妹も結構話通じない(まあ、共同体的な価値観で育ってそれを内面化してしまうのは仕方ないし、歴史の重みは大きいから仕方ないところはある)

だが、演出がめちゃくちゃ綺麗なのと、ラストの大乱闘のバカバカしさになんかどうでも良くなるのも事実

___

ハイクロス、石壁など、象徴的なアイルランドの風景や、野蛮だけど義理堅く、競馬やハーリング、酒に明け暮れるステレオタイプ的なアイルランド人たちが出てくる

僕はなんだか懐かしくて、特に谷を走り回るシーンでは景色から溢れるあまりのノスタルジーに泣きそうになった

正直映画としてはこれっぽっちも面白くないが(あえていえば、ボクサーとしての過去が明かされ伏線が回収されるところは少しあがった)映像への加点が大きい
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