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フロッグのyksijokiのレビュー・感想・評価

フロッグ(2019年製作の映画)
3.6
前半のホラーテイストがめちゃくちゃ良かった。カメラワークといい音楽といい不穏さがすばらしかった。I see youの原題から類推される「何か」の存在と並行して起きている誘拐事件とがつながっていくのではないかというワクワク感と、超常現象からサイコパスから息子による自作自演までありとあらゆる可能性を考えさせられてかなり脳のCPUを稼働させた。構成もよくできていてちょっとずつ時系列が進んでいく形が非常によかった。

後半パートはだからこその期待をかなり掴んでくる展開ではあったんだけども、展開に重きをおいてるがゆえに登場人物たちの動機と心情に対する行間が空きすぎてしまっていてそこが少し残念だった。明確な伏線の回収もあるし、細かいところでのロジックを通そうとするところはあるだけに丁寧にヒューマン部分を描いていればとは思ったり。

2つの世界線がつながってくる瞬間はめちゃくちゃワクワクしたし、フロッグ自体の面白さもすごく出ていた。絶妙にフロッグそのものには共感できないように作ってるところも憎い。

邦題とジャケ写が損しすぎているが最新の作品だしさくっと観るスリラー映画の中では極めてハイスコアな作品だった。

個人的にはある種の偶然性をどこかに入れてほしかったりはした。ただ、不安感を煽るシーンや挙動の出来栄えはめちゃくちゃ良かったし、随所に出てくるキーアイテムの存在も恐怖心を煽る目的でとてもうまく使われていたと思う。

他の方のレビューどおりジャンル映画だけどジャンルが前後半で全然変わってくるという面白さを孕んでいて、なんか新しさを感じた。こういう映画ってなかなか見つけられないので紹介してくれるのありがたい。

キャスト☆3.4
ストーリー☆3.5
プロット☆3.6
演出☆3.7
バイブス☆3.3
音楽☆3.5
映像☆3.6
全体☆3.6
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