rage30

フロッグのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

フロッグ(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

町では少年の行方不明事件が起こり、主人公一家は妻の浮気で険悪な雰囲気と、冒頭から不穏さが漂う本作。
そんな中、ポルターガイスト的な怪奇現象が起こり、てっきり心霊ホラー映画になるのかと思いきや、中盤でまさかのネタバラシ。

一家の家には家族以外にも、勝手に侵入して暮らしている他人がいる事が明かされるのである。
劇中では彼らの行為を「フロッギング」と呼んでいたが、個人的には漫画の『ヒル』を思い出した。
(『ヒル』の方が早いので、もしかしたらネタ元なのかもしれない。)

中盤以降は、彼らの視点から物語が描かれ、前半にあった怪奇現象の正体が、この侵入者のイタズラだった事が分かる。
この時点で十分に伏線回収的な面白さがあるのだが、ここから更なるどんでん返しが待ち受ける事に。

母親の浮気相手を殺したのが父親だった事が分かり、行方不明になった少年を誘拐したのも父親だった事が判明。
ただでさえ、キチガイ染みた侵入者の行いに戸惑っていたのに、新たなるキチガイの参戦で事態は更に混沌としていくのである。
あまりにもカオスな状況は、もはやコメディーの様でもあった。

粗を探せば出てくるとは思うが、しかし、それを上回る驚きの展開に圧倒されてしまう。
序盤の(退屈でさえあった)ミスリードも効いているし、中盤のネタバラシだけでなく、終盤にもどんでん返しが用意されており、話そのものよりも、構造やプロットに興味のある人なら、より刺さる作品かもしれない。

個人的には、侵入者のするイタズラが度を越えた奇行で違和感があったのだが、それも最後の最後で、彼もまた父親の被害者だった事が分かり、その周到ぶりには感心してしまった。
作品の性質上、他人に説明したり、紹介するのが難しい作品ではあるが、もっと知られて良い映画だと思う。
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