リリー

ナイン・デイズのリリーのレビュー・感想・評価

ナイン・デイズ(2020年製作の映画)
3.7
地味かもしれないけれど静かで感性に訴える、幻想的で好きなタイプの映画でした。ジャンルは「ファンタジー」のようですが、人の命が題材の、異次元の別世界の話なので、少しホラー要素もあると思いました。
主人公ウィルの仕事は、次に命を与えられる人を数人の中から選択することなので、ウィルはリストラを宣告する人事担当者のようで、とても辛い立場にあることがわかります。それに加えてウィルは「生きていたことがある」ので、現生での何か強いトラウマを抱えているようです。
感情を殺して心も閉ざしたウィルが、少しづつ変わっていく様子に温かい気持ちになります。また、選ばれなかった人々の最後の願いを全力で叶えようとするウィルの姿を見ると、本当は優しいいい人なんだなとわかります。

海辺、自転車で走り抜ける街並み、映像なのに美しくて心に残りました。
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