マリリン

木靴の樹のマリリンのレビュー・感想・評価

木靴の樹(1978年製作の映画)
3.0
【クレイジー・ジャーニーを見ているかのよう】
◉1978年度カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞。
「生きることは不条理だ」と画面を通して痛烈に発信してくる。見ていて辛い…。約3時間という長丁場から何度も逃げ出しそうになった(笑)。
貧しい農民一家と隣人の物語。少年は学校に行くようにと神父に勧められる。「農民の子が学校に通うなんて」と両親は渋々承諾する。学校の帰りに木靴が壊れてしまう。父は地主の木をこっそり折って新しい靴をこしらえてやる。それすらも許されない過酷な生活。
非職業俳優を起用し、オールロケ撮影、ライトは自然光にこだわるという王道ネオリアリズ手法の作品だけれども、カラーになるとこんなにもネオリアリズ映画は辛いものなのか。
しかも、家畜が当たり前のように殺されてしまうので辛かった。まぁ、食用というか、生きるための行為なのだけれども、アヒルの首をパーン!と切り落としたり、豚の解体がイチから映し出されたり。豚のあの悲鳴が耳に媚びりついて離れない…。仕方のないことだけれど、トラウマになった。
唯一、おじいちゃんが孫相手に昔話をしてくれたり、童謡を歌ってくれたり、優しさが溢れていて救われた。
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