木靴の樹の作品情報・感想・評価

木靴の樹1978年製作の映画)

L' ALBERO DEGLI ZOCCOLI

上映日:2016年03月26日

製作国:

上映時間:187分

ジャンル:

3.9

あらすじ

19世紀末の北イタリア、ベルガモ。 貧しいバティスティ一家は、小作人として農場に住み込んでいた。 同じ村に暮らすのは、6人の子どもと父を養うルンク未亡人、 美しい娘マッダレーナのいるブレナ一家と彼女を愛するステファノ、 けちで知られるフィナール一家であった。 4家族は皆、そこに住む土地、住居、家畜に農具等、すべての領主から借りて生計を立てていた。 ある日、バティス…

19世紀末の北イタリア、ベルガモ。 貧しいバティスティ一家は、小作人として農場に住み込んでいた。 同じ村に暮らすのは、6人の子どもと父を養うルンク未亡人、 美しい娘マッダレーナのいるブレナ一家と彼女を愛するステファノ、 けちで知られるフィナール一家であった。 4家族は皆、そこに住む土地、住居、家畜に農具等、すべての領主から借りて生計を立てていた。 ある日、バティスティ家のミネク少年の大事な木靴が割れてしまう。 村から遠く離れた学校に通う息子の為に、父親は河沿いのポプラの樹を伐り、 新しい木靴を作ろうとする。だが、その樹木もまた領主のものであった。 貧しい暮らしながら、気高く、美しく人生を生きる農民たちの姿を描いた感動の名作。 監督・脚本・撮影・編集は、イタリアの巨匠エルマンノ・オルミ。 出演者は全て素人の農民で、オール・ロケーション、自然光での撮影による徹底したリアリズムが、 全編に溢れる詩情の映像美を生みだしている。

「木靴の樹」に投稿された感想・評価

PalmaRosa

PalmaRosaの感想・評価

4.0
19世紀末イタリアの農民の生活が絵画のように描かれていた。
ストーリーは一応あっても、実際の農民たちが演技してるという、映画とドキュメンタリーの混ざったような映画。
映画史に語り草として残る傑作だと思います☆エルマンノ・オルミ監督のデビュー作ですが、その後は本作を上回る作品を制作できてないわけです。不世出の作品と言えると思います。
時代は19世紀、イタリアの農村に住む小作農たちの暮らしを、リアリズム溢れる絵画的な映像で見せてくれます。これぞ芸術だと個人的に思います。
人が生きるために必要なことが一つ一つのシーンにあります。学校で勉強すること。肉を得るために殺生すること。日用品を作ること。結婚すること。子供を産むこと。地主に収穫の3分の2を支払わなければいけない過酷な環境下の小作農たちも、人としての営みをしながら生きてる姿が胸を打ちます。
詩、唄、絵画などの芸術となんら遜色ない作品と思いますね☆
ツタヤDISCAS(郵送レンタル)で、なかなか見つからない名作を借りよう月間(笑)を勝手に実施中で、「いつも2人で」「若者のすべて」「赤ちゃん教育」に続いて四本目。
さて、本作ですが、イタリアの貧しい寒村を舞台に、四世帯同居の集合住宅での貧しい農民たちの悲喜こもごもを描く(出演は本物の農民たち、なので俳優を調べてもこの作品しか出演作がない…)
土地も作物も家畜も樹木も地主のもので、農民に自由になるものは殆どない、というのがポイントです。
三時間にも及ぶ二部構成で、前半は静、後半は動。前半で色々と設定を仕込んで、後半で仕込みが発動します。
金貨を拾ったので隠しておいた(社会主義者の演説の場で、演説そっちのけでコインが気になるという演出が巧みだ。明日の理想より今日の現実か)が、隠し方に凝りすぎて無くしてしまう爺さん(そんな所に隠すから…)や、こっそりトマトを栽培して、生活の足しにしようとする別の爺さんなど、農民の生活に根ざしたリアリズムがありますね。
メインエピソードの、子供が優秀そうなので、無理して学校に通わせたが、子供の木靴が壊れてしまう、さてどうするか、という…ここからの悲劇的展開が何ともやるせないです(同じくイタリア映画の「自転車泥棒」にも通じるものがある)。木靴の樹というタイトルに込められた風刺、社会批判が鋭いです。
先に観ていた私の父親が、場面場面が絵画のような映画だね、と言っていたのも心に残りました。そう言われれば、ミレーの種をまく人、にそっくりな種蒔きシーンがあった。
nam

namの感想・評価

3.6
1978年のイタリア映画。

淡々と流れる村の生活。妙にリアルなのは本当に村人が出ているから。
貧しい農家の生活や、家畜の解体も、まるでドキュメンタリーのよう。
ミネクの瞳が哀しくて、でもとても美しくて、、

私は3時間は長いと思わなかったな。こういう映画を観れたことがとても幸せ。
【クレイジー・ジャーニーを見ているかのよう】
◉1978年度カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞。
「生きることは不条理だ」と画面を通して痛烈に発信してくる。見ていて辛い…。約3時間という長丁場から何度も逃げ出しそうになった(笑)。
貧しい農民一家と隣人の物語。少年は学校に行くようにと神父に勧められる。「農民の子が学校に通うなんて」と両親は渋々承諾する。学校の帰りに木靴が壊れてしまう。父は地主の木をこっそり折って新しい靴をこしらえてやる。それすらも許されない過酷な生活。
非職業俳優を起用し、オールロケ撮影、ライトは自然光にこだわるという王道ネオリアリズ手法の作品だけれども、カラーになるとこんなにもネオリアリズ映画は辛いものなのか。
しかも、家畜が当たり前のように殺されてしまうので辛かった。まぁ、食用というか、生きるための行為なのだけれども、アヒルの首をパーン!と切り落としたり、豚の解体がイチから映し出されたり。豚のあの悲鳴が耳に媚びりついて離れない…。仕方のないことだけれど、トラウマになった。
唯一、おじいちゃんが孫相手に昔話をしてくれたり、童謡を歌ってくれたり、優しさが溢れていて救われた。
sさん

sさんの感想・評価

4.0
長く静かな祈りのように、
淡々と、力強く流れる日常。

物語終盤、
アップで映しだされる少年(ミネク)の表情に、
それまで漠然と揺すぶられていた心を持っていかれた。
辛く悲しい場面ではあるけれど、その純粋な瞳を覗き込むことができてよかった。


三時間、ずっと集中して観ていられたわけではないので、時間の経ったいまでは絵画を見つめ続けていたような感覚です。
🎬
「木靴の樹」
19世紀末のイタリアでは、貧しい暮らしを強いられる農民たちがいた。6人の子どもと父親を女手一つで養う未亡人、美しい娘に恋する男、細かなことにもケチな一家、そしてミネク少年が育ったバティスティ一家。彼らは大地主のもと厳しい取り立てに喘ぎながらほそぼそと農作で生計を立てていた。
ある日、神父から息子への教育を説かれたミネクの父親は、働き手が減ることに嘆きながらも彼を学校に通わせる。そんななか、大事な木靴を片方壊してしまったミネクに、父親は川辺の樹をこっそり切り落とし、彼の木靴を作り直してやるのだが、その樹ももちろん地主の持ち物であった。1978年、伊。

村の日常から描かれるはじまりは、まるでドキュメンタリーかと見紛うほどの現実感。
実際の光線を取り入れ、村の素人をキャスティングし、とことんリアルを追求したエルマンノ・オルミの大傑作。

いちいちのシーンで、貧困時代の片鱗を目の当たりにする。白パンを食べなさいと言われたミネクはパンにかじりつくのではなく、ほんの小さな指先ほどをちぎって口に含む。

特徴といえば宗教的・絵画的な面が色濃く、ちょこちょこと出てくる教会、宗派のシーン、音楽やまるで画のようなショットは美しかった。現代の日本に生きる私には少し縁遠いところもあるんですが、この時代、こういった生活を常としてなんの疑問も抱かずに淡々と毎日を生きてきた彼らの心の拠り所は確かにあるべきだったんじゃないかと思うのです。

いい映画です。
いい映画ですけど、観る人は気をつけてほしい。
この映画には、映画にあるべきドラマ性はなくって、そこにあるのはただリアルだけです。
事実は小説より奇なり、と言うけど、奇なんてことはない。当たり前がそこにあって、当然の物事が進んでいくだけ。それを私達は観るのではなく見守るような感覚。
でもこんな素晴らしい映画って他にないと思う。
hagy

hagyの感想・評価

4.0
どうやら私はこういう作品が好きらしい
平凡な人たちの生活が淡々と流れるこの感じ
大きな騒ぎもなく、毎日働き、食事をし、寝る前に祈りを捧げ、時々微笑む
つまらない映画かもしれんし、3時間は長い、
それでも私には美しかった
「祈り」をひたすら感じます。 エルマンノ・オルミ「木靴の樹」

昔、大阪上本町にACTシネマテークという映画館がありましてそこはその月のプログラム作品4本を月末にオールナイトで流すという素晴らしい蛮行を実施する小屋でした。
この『木靴の樹』はそのオールナイトで鑑賞しました。
併映の三本はタルコフスキー『サクリファイス』カウリスマキ『愛しのタチアナ』ハルストレム『ギルバートグレイプ』でした。
夜10時くらいに始まって終わったのが翌朝9時過ぎですよ、あなた。
無茶すぎます。
当然殆ど爆睡。
後に改めて全作品を一作品ずつゆっくり観直しました。
エルマンノ・オルミは私の中では既に成仏しておりますが普段は怠惰な私でさえ時々この作品の祈りの光を浴びたい時があります。
Faithfull

Faithfullの感想・評価

3.3
不思議な魔力?魅力?の映画でした。ちょうどこの日は教会に行った後に観たので…尚更よかったです
>|