とらキチ

ダーティハリーのとらキチのレビュー・感想・評価

ダーティハリー(1971年製作の映画)
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35mmフィルム上映『ワーナー・ブラザース 35ミリ・フィルム・セッションズ』にて鑑賞。
令和の世に、この作品をスクリーンで、しかも35mmフィルム上映で観れるなんて!
やっぱりイーストウッド御大の一挙手一投足がカッコ良すぎてシビレる。特に立ち姿と相手にS&W M29を構える姿が。
法の隙間を突いた愉快犯的無差別殺人や劇場型犯罪、それに対抗していく上での“デュー・プロセス・オブ・ロー”とのジレンマといった現代でもまんま通用するテーマが描かれる。
そして“スコルピオ”の狂気!一応ベトナム帰還兵という設定があるみたいだが、劇中では犯行の動機を含めそれら説明されることは一切なく、ひたすらに犯行への狂気が増幅されていた。そんな狂った役を演じたアンドリュー・ロビンソンのお芝居も、改めて凄まじい。あれだけのインパクトを見せられたら、同じような役柄ばかりオファーされ、役者業に嫌気が差してしまうのも仕方ない。
屋上の「JESUS SAVES」のネオンサインや十字架を見上げるような意味深なカット、音楽を「燃えよドラゴン」や「スパイ大作戦」のラロ・シフリンが手掛けていたりと、改めての気づきも多かったし、ナイトシーンがマヂで暗い!
“ハリー・キャラハン”“スコルピオ”と、映画史を代表するアイコンを生み出した作品だけど、根底に流れていたのはサンフランシスコ市警に対するリスペクト。ファーストカットの“サンフランシスコ市警殉職警官記念日”のカットがそれを示していた。
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