Kamiyo

ダーティハリーのKamiyoのレビュー・感想・評価

ダーティハリー(1971年製作の映画)
4.2
1971年 ”ダーティハリー” 監督ドン・シーゲル
脚本 ハリー・ジュリアン・フィンク リタ・M・フィンク
ディーン・ライズナー

僕たち団塊世代はクリント・イーストウッドと言うと、小.中学生の頃TVで「ローハイドー」の補佐役で料理人ウィッシュボン(ポール・ブラインガー)との絡みと、
”ローレン、ローレン”「ローハイド (フランキー・レインの曲)が懐かしい。
その後、マカロニウエスタン「荒野の用心棒」等でスターダムにのし上がり「ダーティハリー」で、その地位を不動のものとする。
ドン・シーゲル監督とクリント・イーストウッドは「マンハッタン無宿」、「真昼の死闘」、「白い肌の異常な夜」、「アルカトラズからの脱出」そして「ダーティハリー」などでタッグを組んでいます。
この作品もシリーズ 5まで続けた。
ドン・シーゲル監督作品の最高傑作は間違いなく本作です。

もう何度も観ている。。。。S&W M29 44マグナム
クリント・イーストウッド "ハリー・キャラハン刑事”

就職した頃、福岡スカラ座にてハリー・キャラハン刑事に共感し、惚れた覚えがある。公開から約54年経って内容も忘れかけて来たので、久しぶりにU-NEXTでを観ました。
ハリー・キャラハン刑事‼️表彰ものの活躍も多いが、それ以上に始末書ものの勇み足も数多く、マグナム44をひっさげてダーティ(汚い、人が嫌がる)な仕事を軽々こなしていきます‼️
冒頭 いきなり市中でマグナム44をぶっ放し、犯人相手に名台詞”Do I feel lucky?”をぶちかます。名刺代わりの1シーン。続いて、飛び降り自殺の現場で不用意に説得役をかって出て、型破りな流儀を見せる。ダーティハリーのやり方。法システムへの苛立ちを私刑でもって呼応する。
間違っているが、間違っていることを見せることに意味がある。

サンフランシスコの俯瞰。屋上のプールで優雅に泳ぐ美女。向けられるライフルのスコープ。そこでラロ・シフリンの音楽がボーンと鳴る。
凶悪犯「サソリ座の男」から14歳に少女をレイプしたあとペンチで抜いた歯が警察署に届けられる。それを見た観客は「奴を殺してでも逮捕したい! 少女を救いたい!」という気持ちになる。その気持ちをハリー刑事に託していた訳だ。
逮捕するが、捜査令状なし、警官の暴力、法律に違反している、などの理由で釈放されてしまう。観てる方としては「法律が何だ!ぐずぐずしてないでサソリ座の男を殺してしまえ!」という気持ちに益々駆り立てる。

理不尽な法律に怒ったハリーのクライマックスの猛烈アクション‼️ラストに使われる 名台詞「何を考えてるか分かるぜ。俺が6発撃ったか、まだ5発かと考えてるんだろ? 実を言うと俺もつい夢中になって数えるの忘れちまったんだ。だがこいつはマグナム.44言って世界一強力な銃なんだ。お前のドタマなんか一発で吹っ飛ぶぜ。楽に死ねるんだ。運がよけりゃあな・・・」スコルピオは一度拳銃に伸ばす手を躊躇するが、「さぁ、どうするオイ!」とすごむハリー
そしてバッジを川に投げ捨てるラスト‼️もう
「ばかばかしい法律に縛られた警察なんかやってられるか!」という気持ちだろう。

なお強烈な悪役を演じ、負けない存在感を発揮する悪党スコーピオン=アンディ・ロビンソンもヤバい‼️気味悪い笑い声と異常なほどの執拗さには、ハリーじゃなくてもブチ切れること確実‼️

ハリー=クリント・イーストウッドの声がなつかしの山田康雄です。じーん。
イーストウッドのトラッド・スーツの決まっていること、当時のスーツ着こなしのモデルだったのを思い出した。

今もサンフランシスコ市警(SFPD)の壁の名札には "ハリー・キャラハン刑事、出張中につき不在" とあるといわれています

製作当時はどうだったのか不明ですが、現在アメリカの大部分の州では死刑が廃止されていると思います。従って法に則った手順を踏めば、死をもって犯人に罪を償わせることが出来ず、少しでも抵抗すれば射殺しても構わないと、ためらわず発砲するのが当たり前。これが銃社会でもあるアメリカの現実ではないかと思います。
Kamiyo

Kamiyo