Clara

ダーティハリーのClaraのレビュー・感想・評価

ダーティハリー(1971年製作の映画)
3.0
場所はサンフランシスコ。汚い仕事ばかり任され、”ダーティハリー”の異名を持つ刑事、ハリー・キャラハンが、”スコーピオン”と名乗る無差別殺人鬼の逮捕に乗り出す。

犯罪映画や刑事アクションものに大きな影響を与え、現在につながるひとつの大きな流れを作った作品とも言われる本作。苦労人イーストウッドのハリウッドにおける俳優人生においても、大きな転機となった作品。

作品の前に…まだまだ若く、髪もふさふさなイーストウッドが登場するわけですが…誰かに似ている。でも、誰だかわからない。気になってしかたないので、気づいた方は教えてください。笑

腐敗や怠慢がさらなる悪事を生む世の中で、法律が機能しなくなる。法律は絶対的なもの。揺るがず、いつもそこにある。法はそうでなくては困る。自由自在に変えることができたら、秩序も何もなくなってしまうから。しかし、その融通の利かなさが逆に問題を引き起こすこともある。法律を尊重するがゆえに、無差別連続殺人鬼が簡単に釈放されてしまうのだから。
そんな現状に、もどかしさや怒りを覚えるハリー。お偉い方に噛みついてもまるで無意味。ならば、自分なりのやり方でいくしかない。そう考えたハリーは、自分のやり方でスコーピオンを裁く。
決して正しいやり方ではないけれど、ガチガチに決められた手順やらなんやらが、大勢の命を奪うことがあるのも事実であり、嫌な矛盾だなと。

印象的なシーンとしては、やはりラスト。「考えてるな。弾が残ってるかどうか。撃ちまくって俺にもわからん。だがこれは特製の大型拳銃だ。脳ミソが吹っ飛ぶ。それでも賭けてみるつもりか。どうだクズ野郎。」というハリーの台詞と、警察バッジを投げ捨てる姿。
でもこれ、スコーピオンを演じたアンドリュー・ロビンソンの演技あってこそだと思う。彼の表情からは、スコーピオンの気違いっぷりが嫌ってほど伝わってきて、気味が悪い。生死問わず、彼の演技は見事だと思う。
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