なつこ

カモン カモンのなつこのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
3.8
相手を尊重すること、理解しようではなく理解したいと思うこと。
全部は分からないけど、それでいい。
子供とか大人とか、家族とか他人とか関係なく、とても大切なことが描かれていた。それは自分自身と向き合うことでもある。

でも私もジョニーと同じで感情表現がクソなので(笑)上手く言葉にできない。
その部分は、おはようにょくさんのレビューが全部書いてくださってるので、いいかな、と(笑)

2人のやりとり、妹(母)との会話。
これといった事件はない。劇的に距離が縮まる瞬間があるわけでもない。ただただ丁寧に、お互いの想いを知ろうとしていく日々を丁寧に映し出している。
その事が兄妹の関係性も変えていく。

声というのは優れたアイコンだと思う。
文字では伝わらない微妙な感情が空気となって震える。
回復ゾーンの外側で、私も叫んでみたい。

全編を通して繰り返される、ドキュメンタリーのようなインタビュー。
たくさんの子供たちや若者にインタビュアーが投げかける質問と、それに対する彼らの返答。
ハッとさせられる言葉や考えさせられる言葉…色々あったけど、観終わってみると、それはセラピーのようなカウンセリングのような、優しく不思議な感覚を私の中にもたらしていた。

こんな穏やかで普通なホアキン・フェニックスを久しぶりに見た気がします(笑)

このタイプの作品では珍しく、客席9割は埋まってて、ちょっと嬉しい驚き。
あと、これに出てくる本が欲しい…。
なつこ

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