少し前の作品だが、いつもNETFLIXであなたにおすすめに出てきて、ずっと気になっていたのでようやく鑑賞。
なんだかとてつもないものを観せてもらった。
内田英治監督、脚本。
都会の片隅で生きるトランスジェンダーの凪沙、育児放棄された中学生一果、それぞれ職場や学校など属する所はあっても、満たされず生きづらさを抱えた遠縁の2人が共に暮らすことに。
それなりに2人とも周りの身近な人間関係には恵まれているのが救いではある。
しかし本当の親や世間の偏見、心と身体の不一致による様々な身体の不調、彼彼女らが抱える痛みを思うと、なんだか切なくなる。
着いた日に干してあるチュチュを見て部屋で踊っていた一果ちゃん、日々のレッスンでどんどん才能を開花させ、ニューヨークまで行く一果ちゃんの成長も見所。
でも親友の悲劇は辛い。
草彅君の虚ろな目と一果の才能を見出し支えていく優しい眼差しが何とも言えず、この作品の良心でもある。
オカマのお姉さんの話術、思春期の中学生女子の会話、地方の偏見、脚本もそれなりにリアリティがありグっと引き込まれる。
渋谷慶一郎氏の音楽もとてもよかった。
