一果のバレエ、彼女と凪沙が心を通わせるシーンなど感極まる場面は幾つかあった。役者陣の熱演は素晴らしいし、並々ならぬ思いはあるはず。しかし、今作において性的少数者たちが迎える結末は受け入れ難い。手前勝手な話かもしれないけれど、シスヘテロ男性の自分が、その結末を“感動”として消費するのは余りにも残酷なことに思えた。また、一果が物語内で受ける仕打ちは観る前に懸念していた通りの描写で、「またそこからですか」と呟きたくなる。服部樹咲さんの表情一つとっても、心震えるものはあるので観る価値は多分にあると思います。
