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ファーストラヴの都部のレビュー・感想・評価

ファーストラヴ(2021年製作の映画)
3.2
実父殺害事件の容疑者である少女とその真相と隠された闇を追う心理士、少女と彼女の過去には共通項が存在しており──という子供時代の人格形成期に図らずも傷を追ってしまった人間を巡るヒューマンドラマ。
予告で煽られているようなミステリやスリラー描写には欠ける印象だがそれに取って変わる要素はしっかりと踏まえており、物足りない印象はない。大人のエゴイズムに翻弄される子供(ここでは精神的なそれも含むが)の痛みを訥々と語り明かしていく構成は二時間尺の映画の話運びとしては退屈とは無縁な適切さだが、本作はその編集周りがややくどく感じた節が大きかった。
原作小説のあえて語らない点を、自然に語りとして映画ナイズドしているのは見て取れるが口に出し過ぎだと感じる箇所も所々あり。
あと主演二人の演技が正直上滑りしているというか、北川景子氏に関しては露骨に以前のそれよりもよろしくない物になっており、そうした点もノイズになって事実自体は情動的だとしても作劇として込み上げる物がなかったようにも思える。
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