マインド亀

アントマン&ワスプ:クアントマニアのマインド亀のレビュー・感想・評価

3.5
不安が的中したところと、予想外に良かったところと、ほぼ半々。

●私はアントマンの良さは一作目のような現実世界でのダウンサイジングによるアクションだと思っております。虫サイズから見た現実世界。これはアントマンにしか表現できない唯一無二なもので、一作目はめちゃくちゃ面白かったです。そこに来て今回は量子世界での冒険で量子世界の住人たちが出てくると聞いてめちゃくちゃ不安になりました。だって最小単位まで小さくなってそこの住人たちとサイズ変わらないんならほぼ等身大のアクションしかできないじゃないですか。これではアントマンの両手両足を縛られたようなもの!ただのスペースオペラになるのでは?と思いました。

●結論からいうとそういう部分での不安はほぼ的中しておりました。一応さらに小さくなったりすることはしておりましたが、現実世界でのサイズ感が比較できるものがなんにもないため、「虫の目から見た世界」を観ることが出来ませんでした。また一作目の機関車トーマスや、2作目のキティちゃんPETZのように、大きくしてめちゃくちゃ楽しいキャラクターアイテムがなかったのが寂しかったですね。

●代わりに今回はケバケバしい方のスペースオペラのような面白さを追求しており、モードックや、顔がレーザーになってるやつ、ゼリー状のやつ、など出てくるキャラクターがいちいち愛らしく、彼らによってに救われた感じがします。しかしながら、量子世界なんてもっとめちゃくちゃにハチャメチャな表現をしても自由だと思うのですが、既視感ありありな世界になっていたのは少し残念でした。人タイプの住人がいるせいで、ワンダーな部分が半減してしまいました。特殊メイクもしない、いつも演じる女ったらしのビル・マーレイって本当に必要だったの?

●ただ、結果的には楽しめた部分がたくさんあります。小さな存在と揶揄されるアントマンがカーンとの初戦を制したのはとてもブチ上がりました。「娘を返せぇぇぇ」と暴れまくるスコットの暴走ぶりは「もっとやれ!」と応援したくなりました。カーンをフルボッコにする存在がアイツラというのも爽快でした。
また、娘のキャシー(今回は役者か変更)のキャスリン・ニュートンは一人称「アタイ」のよく似合うヤンチャ感にキャラ変更されていてとても良かったです。
キャラクターで言えばモードックが一番でしょう。この作品はモードックに目を奪われてばっかりでした。シリーズ再登場を願うばかりです。一作目の彼の所業などすっかり忘れてしまってますけども。

●今回は一本の映画として、本当に様々なツッコミと、「ええやん!」という部分が半々に散乱しております。ツッコミ部分は特に量子世界の曖昧な設定!カーンの能力・強さのばらつき、ヒーロー達のコミュニケーション不足などなど…

●色々とツッコミどころの多い作品ですが、対カーン初戦として、またテンポ感のあるアントマンファミリー大冒険作品として観るべき映画だと思います!
マインド亀

マインド亀