タカナリ

アントマン&ワスプ:クアントマニアのタカナリのレビュー・感想・評価

4.3
MCU第31弾。シリーズ第3作目。
アベンジャーズとして世界を救ったアントマンが量子の世界へ。量子の世界を支配する征服者カーンに対し、小さき者達の反撃が始まります。

「アベンジャーズ/エンドゲーム」の後の話になります。スコットはアベンジャーズとして有名になり、ホープは会社社長として多忙な日々を送り、ハンク、ジャネット、そしてキャシーも楽しく日々を謳歌しています。政治的な話は一切なく、アントマンらしい楽しさが最後まで続きます。
ちなみにルイス含むあの3人組は、今回は登場しません。

「アントマン&ワスプ」以来で登場した量子世界。
前作でも感じましたが、非常に気持ち悪くて美しいです。前作では量子世界に来てすぐ帰ってしまったので、美しさしか分かりませんでしたが、今回は話の9割が量子世界が舞台なので、前作よりも深く細かく描かれていました。
生物や建物の造形は何種類もあり、それぞれにちゃんと違いがあります。その設定もよく作り込まれていました。これはスゴすぎて驚きました。
スター・ウォーズみたいでした。

個人的に一番良かった新キャラは、カーンによって作られた殺戮生物兵器“M.O.D.O.K.”。
あの巨大な頭に小さな手足。そこから出てくる巨大な武器の数々。異様すぎて一目で印象に残りました。
その正体にも驚きました。今までアントマンを追ってきた人は全員驚くはず。
改造シーンはなんか笑っちゃいましたね。

今回の話はスコットの娘であるキャシーのやらかしから始まりますが、そのキャシーがこの戦いでどのように成長するのかも見所です。
正義感が強く、困ってる人を助けたい、悪人をやっつけたいという考え方は非常にヒーローなんですが、キャシーはまだまだ子供。当然ヒーローの覚悟は出来ていません。量子世界に来ても思うように上手くいきません。
そんなキャシーは、自分の信念に従って行動していくにつれて、次第にヒーローとなっていきます。
キャシーの呼び掛け、そして巨大アントマンとのハグと共感は非常に良かったです。

今後気になるのは、征服者カーンの存在。
ドラマ「ロキ」に初登場して以来2回目の登場になりますが(同一人物ではない)、今後はもっと登場し、最終的には今の「マルチバース・サーガ」のサノス的な存在になるとかならないとか(まだ不確定)。
サノスのような力はありませんか、カーンは何人もいます。まだまだ明かされていない力もあると思います。
そのカーンが次はどの作品に登場し、どのようにアベンジャーズを苦しめるのか。
今後が非常に楽しみになりましたね。

シリーズ3作目ですし、予告の時点でなんか悲しい雰囲気がありましたが、何も悲しい事なんかありませんでした。
1作目2作目同様、安心の「アントマン」でした。
楽しい作品になってました。

キャシーとケイト・ビショップ(二代目ホークアイ)、気が合いそう。