ほのか

藁にもすがる獣たちのほのかのレビュー・感想・評価

藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)
4.0
そのお金、私のものです。



めちゃくちゃ面白かった!!
凄い、凄い映画やったわ…。
何も言えんし、何も見ずに観た方が絶対おもしろいと思うねんけど、とにかく上手い!!!!!ってことだけ残しとく。それに尽きる。
展開がほんまに上手い。『大金の入ったバッグを見つけた』を手放さずちゃんと手中で転がし続けてた。脱線したと見せかけて全くしてないんよ、これほんますごい。最初から最後まで細かく細かく千切ってちゃんと回収していくの、ここまで上手に最後に繋がるのか…!ってそれが1番怖かった。この上手さが1番怖い。

チャプターも3つの世界がちゃんとそれに沿ってて、それって物語としてこの世に出てるものしては当たり前やねんけど、こうほんまにその章タイトル通りなんが凄いねん。3つ目ぐらいからそれに気づいてウワウワ!!って思ってた。あとそのチャプタータイトルの表示、なにを表してるんやろ!って思っててんけどそれもちゃんと回収されるし、もうなんか舌巻いてばっかり。すごすぎる。
原作気になるなあ。また本屋行ってみよう。
お金は最早幻覚か?と思えてくる。みんなひとつのお金(お金を"ひとつ"つでいうのも変なまとめ方やけど)を取り合ってるのに誰の手にも入らない。そもそも浮いたお金だから誰のものでもない。冷静になると滑稽にしか見えない、けどそんなこと言えないほどみんな真剣に殺してでも手に入れたいと思ってる。その姿もまた背筋が凍るほど怖い。

全然キャスト観てなかったのでチョン・ウソンだ!ってびっくりした。いつまでも私の頭の中の消しゴムのイメージがある。