tsutomu

エルヴィスのtsutomuのネタバレレビュー・内容・結末

エルヴィス(2022年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

これまでいろんな歌手の実写映画を見たがこの映画は最も生き様を見せつけられた。そんな映画だった。

生き様が見れたではなく見せつけられたという表現がふさわしいと思う。
全くエルヴィスプレスリーを知らない(何曲か知ってる程度)状態だったので、その頃の時代背景などわからないこともあったが、そこが気にならないほど見入ることができた。

映画の序盤は「怒涛」という言葉が合うようなテンポ感で進み、ついていけるか不安だったが、しっかりと抑揚をつけて何が起きているのか分かりやすくテンポを抑えてる部分もあったので見やすかった。まさにロックを奏でるように映画が進んでいったような、そういう印象を受けた。

印象に残った部分として、
ラスト間際エルヴィスが奥さんに言った
「誇れるものを何も残してない」という言葉。
映画の序盤で、小さい頃から自分は何者かになれるというヒーロー思考、主人公気質があったエルヴィス。映画の中でも常に一番目立つ存在として活躍してた彼の姿からすると、最後の最後に何も残ってなかったことを後悔してる様に心が打たれた。
しかし、死後でも語り継がれる彼の姿は、確実に何かを残していたと感じた。

ラストシーンでは生前最後の歌唱シーンが流れた。歌手の実写映画で本人登場は初めて見たが、歌声も続かず辛そうに歌っている姿になっていた。ただ、一切手を抜くことなく本気で歌っているんだなという姿にカッコよさを感じた。本当にすごいシンガーだったんだなと改めて感じた。

印象に残ったシーンとして
「誇れるものを何も残してない」とエルヴィスが言ったシーンを上げたが、ラストシーンを見ても彼は自分の夢に対して一切妥協しない人だったんだと感じた。
そこには自分は何者かになるという信念があり、その信念を死ぬまで彼は疑わなかったんだなと感じ。生き様のかっこよさを感じた。

この映画は、方々で絶賛されているが
それに値する作品だと思う。
あまり創作物にこういう言い方はおかしいかもしれないが、本当の意味で神掛かった映画だったとそう感じる。
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