Frengers

エルヴィスのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

エルヴィス(2022年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

@IMAX
人の移動やルーレット、レコードの回転が狂騒を呼び、エルヴィス、マネージャー、ファン、家族の混然一体へ。夢がドラマ/ドキュメンタリー、現実/CGが曖昧になった怒涛の映像へ。見ることよりイメージを浴びる、体感するという繋ぎかたは大きな画面、よい音響で見なさいという事だろう。マーティン・スコセッシとティム・バートンを掛け合わせたような前半には特にやられそのままラストへ。最後に本人の映像にかわる瞬間は何ものにも替えがたい。
あくまでアフリカ系アメリカンとブラックミュージックに導かれていくカメラとプロット。「悪魔の契約」宜しく、記した文字に寄って何もかもから引き裂かれていくアメリカ社会のエグさと本作の鑑賞者(=ファン)が破滅に加担している事を仄めかすラストのエルヴィスの挨拶はかなり重たい。SNS時代により身近になったシステムへの批評を強く感じた。

1959年のクラシックな撮影と繋ぎかた(後あの字体)に静かに興奮したし、エミネムを使う最後も痺れた。主役のオースティンバトラーは当然の様に良くかっこよかった。トム・ハンクスが杖つきながら階段を昇る様が好きすぎてもっとみたかった。
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