ジョン

エルヴィスのジョンのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
4.3
エルヴィスのことを全然知らんかった自分がうっとりしてしまうぐらい、"スター"エルヴィス・プレスリーの生き様が熱烈に伝わってきた。もみあげとか派手な衣装のイメージが強かったけど、こんなにカッコいいんや、っていう。

本作が面白かったのは、激動のアメリカ60年代が時代背景にあるところ。公民権運動からのキング牧師やケネディの暗殺が、物語に深みを与えてくれるし、保守的な当時の人々にとってセンセーショナルな存在であったということがより際立つ。ビートルズやストーンズ、ジミヘンなどが台頭していく中での彼の立ち位置というのを考えるとまた感慨深い。
ラストが本当に切なくて、「愛に殺された」的な雑なまとめ方をされていたけど、家族への愛、妻への愛、そしてファンへの愛に生き、生かされた、本当に素敵な人生だったということが回想や本人映像からひしひしと感じられて、涙腺がヤバかった。そして大佐に怒りフツフツ。
それからバズ・ラーマン監督の演出も冴えていた。目の回りそうなギラギラした場面転換と、しっとり落ち着いた上品なドラマのメリハリが効いていた。どのライブシーンも圧巻で、『ボヘミアン・ラプソディ』のクライマックスが100点としたら、本作は90点台を連発してる、みたいな感じがした。
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